西洋漆喰

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左官ブログ

西洋漆喰

2025/01/28

 

今回は、西洋漆喰についてお話ししようと思います🏛️

 

 

 

人類が初めて石灰を使い始めたのは、今から約5000年前だと言われています😮

石と石を接着させるための画期的な素材として使われていたんです。

 

 

当初は、石灰に骨材を混ぜて「石灰モルタル」を作り、それで石を積み上げていったのが始まりです。

その技術はやがて世界各地に広がり、歴史的な建造物にも大きな影響を与えました。

 

 

その代表的な例が、ギリシャやローマの巨大建造物。

例えば、パルテノン神殿(紀元前447年着工)やコロッセオ(西暦70年着工)などには、石灰モルタルが多用されていました。

特に、古代ローマ時代の石灰の使い方は独特で、その技術は「ローマンコンクリート」と呼ばれています。

 

 

ローマンコンクリートは、石灰と火山灰を混ぜ、さらに海水と練ることで、2000年経ってもその強度を保っています。

これが、地震が多いイタリアでも長年その耐久性を維持し続けている理由です。

実際、現代のコンクリートの寿命は約100年と言われていますが、ローマンコンクリートの丈夫さは歴史が証明しています。

 

 

 

古代から現代へ

 

古代の建築では、石積みやレンガ積みの土台に厚く塗ることで壁を強化するためにも、石灰モルタルが使われていました。

さらには、仕上げとして、厚く塗ったモルタルの上にクリーム状の石灰を塗って、さらなる強度を加えることも。

特に西洋では石積み、レンガ積みの建物が多く、大きな窓を作ることが難しかったため、小さな窓から入る光を反射させるために白い石灰クリームが使用され、室内を明るくする工夫がされていました。

 

 

 

 

フレスコ画と漆喰の美術的な活用

 

そして、西洋の石灰の使用方法で代表的なのが「フレスコ画」。

これは、漆喰がまだ生乾きのうちに顔料を塗り込む技法です。

石灰の炭酸カルシウム成分が顔料を包み込むことで、数百年たっても退色せずに美しい色合いを保っているんです💡

 

 

 

世界各地で見る石灰の魅力的な使われ方

 

石灰は建築だけでなく、街並みや風景にも影響を与えてきました。

たとえば、サントリーニ島(ギリシャ)は白い漆喰の壁と青い丸屋根が特徴的で、ペストの流行を防ぐために石灰の殺菌効果を求めて白く塗られたと言われています。

アルベロベッロ(イタリア)では、石灰岩を積み上げ、漆喰を塗って仕上げる伝統的な建築スタイル「トゥルッリ」が有名です。

また、ミハス(スペイン)の街並みは「白い宝石」とも呼ばれ、一定の期間ごとに街全体が白く塗り替えられています。

サナア(イエメン)の建物や街並みでも、石灰が使われており、医師やレンガを積んだ建物の強度を高めるために漆喰が塗られています。

 

 

近代建築に見る石灰の美しさ

 

さらに、近代の建築にも石灰は欠かせません。

フランスのロンシャン礼拝堂(ル・コルビュジエ設計)は、鉄筋コンクリートの構造体の上に白い石灰モルタルで仕上げた重厚感のある壁が特徴的で、その美しさと強度は今でも評価されています。

 

 

 

西洋漆喰は、ただの建材としてだけでなく、芸術や文化、そして建築の技術としても長い歴史を持っています。

5000年を超える歴史の中で、西洋漆喰はその使われ方や形を進化させ、今でも多くの建物や街並みに影響を与え続けています。

これからも、西洋漆喰が持つ可能性に注目し、その美しさと強度がどのように生かされていくのかを楽しみにしていきたいですね。

 

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